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「雷蔵、日焼け止め塗ったか?赤く焼けちゃってるけど。」
「え、あ、ホントだぁ!どうりでひりひりすると思った。」
今日は強い日差しの中で、1・2組合同のプール学習があった。
もうタイム取りは終わり、残った時間を自由時間にしていいと言われたので、雷蔵と兵助は一緒に競争したり、つかまってじゃれあったりしていた。
いつもならそんなことをしていると、片足をつかんでプールの底に沈めようと本気でしてくる男が雷蔵の傍らにいるはずなのだが、今日は雷蔵がキワドイポーズを何度も何度も目の前でしたので、それに当てられて鼻血をを大量に出し、授業始めあたりで保健室行きとなった。
「わ、髪上げてみ。あーくっきりじゃん、肩のラインとか・・・。」
「えへ、あんまりそんなの気にしなくて・・・。」
ぺロッと舌を出してそんなことをいう雷蔵に少し、照れて、それでもやっぱり雷蔵は大雑把すぎて放っておけないなぁと思ってしまった世話焼きな兵助である。
「これ昼休み前の授業だし、少しぐらい着替えるの遅くなってもいいだろ?俺の部活用のクールボディローション塗ってやるから。」
「え?ホント?やったーvv」
「軽い火傷みたいなもんだしな、塗っといた方がいいだろ。」
「ありがと兵助。」
そうしてまたじゃれあう時間に戻り、キラキラとしたプールの水波の反射が目にまぶしくて、兵助には雷蔵の笑った顔がとてもそれによく映えて見えた。
「さ、ココ座って、肩出して。塗ってやるから。」
「ぁ、うん、・・・三郎そろそろ戻ってくるかな?」
「あぁ、でもあれだけたっぷり血ぃ出したらフラフラなんじゃねぇ?」
「そうかぁ・・・大丈夫かな三郎・・・。どうしていきなり鼻血なんか出したんだろう・・・?」
それはお前がアイツに強い刺激を与えたからだよ。
とはいえず、丁寧に雷蔵の日に焼けて赤くなった肌に、ローションを塗っていく。
いつもより少しシュンとした雷蔵を見て、本当に三郎のことが大好きなんだなと思うと、兵助の胸はキュッと締められるように、ズキリと痛んだ。
自分は雷蔵にとって三郎と同等の位置にいられているのだろうか。
心のどこかで、三郎より上の位置にありたいと思っている自分がいるように思えてならない。
雷蔵・・・・。
むき出しの雷蔵の肩を抱きすくめようと腕を伸ばした瞬間。
「てめぇー!!兵助!!何雷蔵に触ろうとしてんだよ!!つぶすぞ!!」
三郎がふらふら状態でそんな汚い言葉を吐きながら戻ってきた。
雷蔵センサーが危険を伝えたのだ・・・。
雷蔵のこともよく知っているが、三郎のこともよく知っている兵助は直感でそうわかった。
「三郎大丈夫?!まだ安静にしてた方がいいんじゃないの??」
雷蔵が三郎を見上げて心配げにそういう。
すると三郎は嬉しそうに、雷蔵の手をとって、顔を近づけながら答えた。
「いや、もう大丈夫だ。さっきの授業はごめんな、寂しかったろ。」
「うぅん、いいよ。兵助がいてくれたから、全然寂しくなかったよ!」
ニコッと可愛い笑顔でそういわれ、三郎はピシリと固まって、人形のようにぎこちなく兵助の方に首をまわした。
「・・・おい、てめぇ本当に雷蔵に何もしてねぇだろうな・・・?てか今雷蔵脱がせて何してたんだよ・・・?」
目が、オーラが、すでに正気のさだではない。
雷蔵は俺のものだと、何者もそれをくつがえすことは許さないと言っている。
今ココで雷蔵を後ろから抱きすくめようと思ったと言ったら、確実にこの世から消えるだろう。
でも、
「・・・ただ日焼けした雷蔵の肌に、俺のクールボディローション塗ってやってただけだよ。」
そんなの、理不尽で勝手だ。
「・・・何?じゃ、そんな理由にかこつけて、雷蔵の肌を触っていたのか?」
「そんなこといってないだろ、変に頭の中で変換するなよ。お前じゃあるまいし。」
純粋な気持ちで雷蔵にローションを塗ってやっていたのに、そんな汚い目で見られていたかと思うとイラッときて、下唇をかみ締めた。
三郎はブチ切れかけているが、兵助も負けじと切れかけている。
どちらも雷蔵が絡むと短気になるようで、この状況は成長して、身も心も大人に近づいていくにつれてよく見られるようになった。
すると決まって雷蔵がオロオロしながら二人を止める。
「三郎!兵助に変なこと言わないの!!兵助も三郎は変わったやつだってわかってるでしょ?だからほら、あんまりつつかないであげて。」
本当は兵助をボコボコに殴ってやりたいところだが、愛しの雷蔵に言われちゃ、三郎も怒りを抑えるしかない。
兵助はこの二人の関係が、いや、いつも雷蔵の隣にいれる三郎が羨ましかった。
雷蔵と先に出会っていたのは、友達になって親友になっていたのは自分なのに、いつの間にかポッとわいて出てきた三郎に大事な人をとられてしまっていた。
誰かが聞いたら女々しいと笑うかもしれない。
それでもこの気持ちは錯覚でも、勘違いでもないのだから仕方がない。
「雷蔵!!」
「なっ何?」
兵助が大きく雷蔵を呼ぶものだから、雷蔵もびっくりして少しキョドリ気味の返事をしてしまった。
「俺たちは雷蔵にとって大事な親友だよな?」
そうじっと真剣に目を見つめられながら言われて、雷蔵が一瞬キョトンとした顔をするが、意味を理解するとニッコリほころぶように笑って答えた。
「うん!兵助も三郎も大好きだよ!!」
「そうか。」
兵助はその答えを聞いて、ニンマリ笑って三郎のほうを見た。
三郎は悔しそうに、兵助を睨みつけている。
(たまには、こんな嫌味ぐらい言ってもいいだろ。)
俺が雷蔵を想う気持ちは、日焼けと一緒なのかもしれない。
キラキラと輝く太陽に当たりすぎて、身を焦がすように赤く肌をそめてしまう。
ひりひりと地味で、それでも確かな痛みが消えた後は、赤く染まった肌は小麦色に変わっている。
その小麦色の肌は、ずっとこれからの自分の肌の色になってしまうのだ。
雷蔵を恋い慕う気持ちは、もう自分を染めていて、落ち着いてもその想いは確かな自分の一部になっているのだろう。
「・・・雷蔵の隣をとった代償は払ってもらうぜ。」
三郎を指差して、バンッと打つまねをして去った後は、後ろから三郎のキィィッと喚く声と、それを止める雷蔵の声が聞こえていた。
「何だかんだ言って、お前は幸せ者だろ・・・負け惜しみだよ。」
兵助の言葉は、澄みきった青空に溶けていった。
終わり☆★
熱くて、じ~んてするんです。
ってことで兵助の雷蔵への気持ちを書きました。
パラレルになってるのは高校生あたりをおもって書いたからです。
兵⇒雷って美味しいとおもうのは私だけですか?!ハァハァ(´Д`*)
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でもできるだけ閲覧者の方々には敬意をはらいたいと
思ってます。よろしくお願いしますvv